大前研一著「マネーハザード金言集」を読みました。同じ本が2冊になっている変わった本です。一冊は自分用でもう一冊は大切な人用、そうやって本書をたくさんの人に読んでもらって世の中に「考える力」をつけた人を増やしたいという意図だそうです。
大前研一氏がビジネス誌等に寄稿した文を集めた一冊で、ちょっと難しいのですが、力強く説得力のある言葉がたくさんありました。
日本人は「貯蓄する」ということを小さい頃から教育されてきているので、何の疑問も持たずに貯蓄をしている。その上、昨今の低金利にも馴らされて大損をしているというのが大前氏の見解です。貯蓄推奨は国策に近いもので、産業界にも国にもお金がなかった時代に国民にたくさん預貯金をさせ、そのお金を企業に低金利融資したから戦後復興が成功したといっていました。大雑把な説明ですが、説得力があります。
そんな状態ですがしっかりと資産運用を勉強して、海外に投資すれば高い利回りが得られるということでした。説得力はあるのですが、なんだか腑に落ちないんですよね。例えばそうした資産運用が外国では盛んに行われているようですが、万人がやっているのかどうか。恐らくやっているわけではないと思います。一部の人だけでしょう。では万人がやったらどうなるのか。全く成り立たないのではないかと思います。もちろん、私の想像の範囲で、運用の全体的な仕組みなど分かっておりませんから空論なのですが、そのあたりのところはどうやったら勉強できるのか知りたいところですね。
貯蓄するっていうのは、堅実な農耕民族のメンタリティで、日本人らしくて良いのではないかと思います。でも、どうして貯金するのかっていうところははっきりとしておきたいですね。「いざというときのために」みたいな曖昧なものではなくて、たとえば自分の葬式代だとか、老後の生活にこれくらいかかるとかある程度具体的な数字を目標にして、現実と折り合いをつけるくらいのところは考えておきたいですね。
本書は2007年のものですから1年以上経っています。髭男爵風に言えば大きく「事情が変わった」わけですから、全てが参考になるわけでもないでしょう。大前氏のような方の本は出てからすぐ読まないといけませんね。
2009年02月03日
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